ごめんなさい、アカホシさん。

 たまには文学の話でも。懺悔の、文学の話です。

 私は中学生の時、生徒会長を務めており、生徒から学校への要望を取り入れるために「目安箱」を設置していたのですがそこにある日、こんな投書が。


「文芸部を作りたいです!」

 新たな部を作るというのは顧問と活動場所と予算を新たに用立てしないといけない最難の案件なのですが、しかしわざわざ寄せられた意見をむげに切り捨てては意味がありません。

 そこで私はある折衷案を思いつきました。当時、私が演劇部に所属していたがゆえの返答でした。


「残念ながら新しい部活を作るのは難しいです。しかし、たとえば演劇部などで台本を書いてみるなど、場所を発掘してみてはいかがでしょうか?」

 当時の私はこの返答に随分な自信を持っていたようです。

 私が今、この話から伝えたいことはひとつ。


 「小説」と「戯曲」は違うということです。

 なんというか、「パイロットになりたい!」という人に「ヘリコプターの教習所斡旋するよ!」と言うようなものでした。
 「劇作家に小説は書けるけど、小説家に戯曲は書けない」とのたまったのはどなただったでしょうか。最近、この言葉が何となく実感できるような感覚を掴んだのかもしれないという気持ちになりつつある状況に至って、自分の罪を思い出してしまいました。
 枕に顔をうずめて叫ぶ夜が続きそうです。


 なんだか長くなってしまいましたね。さて、今週のコース活動!

12月9日(月)  児童文学コース エリナ・ファージョン『ムギと王さま』 
12月10日(火) 日本文学コース 谷崎潤一郎『母を恋うる記』
12月12日(木) ライトノベルコース 岡沢六十四『悪堕ちシリーズ』
           創作コース 三題小説の合評
12月13日(金) ミステリーコース ダン・ブラウン『ロスト・シンボル』


 児童文学コースが入ってくると雰囲気が変わりますね。
 文学会だけでこの幅広さ。戯曲と一緒くたにしようとしたのが浅はかでした。


 そういえばヘリの免許は17歳でとれましたね(自家用ですが)。
 17歳、もうすっかり遠い過去となってしまいました。


 若気の至りを恥じ、学成り難き老いを悔い、後ろ向きな、人生。


 相口夏来@モラトリアム